民間企業における障害者の法定雇用率が大幅に引上げられます。

民間企業における障害者の法定雇用率が大幅に引上げられます。

企業は障害者雇用促進法に基づき、一定人数の障害者を雇用する義務があります。

雇用すべき人数は、全労働者に対する対象障害者である労働者の割合を基準として算出する法定雇用率に基づき決まります。

法定雇用率は、少なくとも5年毎に、この割合の推移を勘案して設定することとされていますが、2023年4月より新しい法定雇用率に見直されました。

以下では、今後の法定雇用率の動き等についてとり上げます。

今後の法定雇用率の変更方針は?

民間企業における法定雇用率は、2023年4月より2.7%に引き上げられましたが、引上げ幅が大きいこともあり、雇入れに係る計画的な対応ができるよう、2023年4月から1年間は2.3%で据え置きとなりました。

そして、2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%と段階的に引上げとなります。

法定雇用率が2.5%となった場合、1人以上の障害者を雇用すべき企業の範囲が、現行の従業員数43.5人以上から40.0人以上になり、法定雇用率が2.7%となった場合は37.5人以上に広がります。

除外率の引下げについて

障害者の就業が一般的に困難であると認められる業種(建設業、道路貨物運送業、医療業など)について、雇用する労働者数を計算する際に、除外率に相当する労働者数を控除(障害者の雇用義務を軽減)する制度があります。

この除外率は、2004年4月以降、廃止に向けて段階的に引下げ・縮小が行われており、2025年4月からは10%引き下げられます。

この引下げにより、除外率が5~10%となっている非鉄金属製造業(非鉄金属第一次製錬精製業を除く)、倉庫業、航空運輸業、窯業原料用鉱物鉱業(耐火物・陶磁器・ガラス・セメント原料用に限る。)等の計9業種については除外率の適用対象外となります。

その一方で、警備業、介護老人保健施設、介護医療院の3業種が新たに加えられます。

短時間労働者の実雇用率に算定する特例について

現行、法定雇用率の算定に含めることのできる労働者は、週の所定労働時間が20時間以上の人だけとなっています。

2024年4月より、週の所定労働時間10時間以上20時間未満の重度身体障害者、重度知的障害者および精神障害者について、就労機会の拡大のため、実雇用率において算定できるように変更されます。

法定雇用率の引上げに伴い、自社において障害者の雇用義務が発生するのか、発生する場合には何人の雇用が必要なのかを確認の上、採用等の対応を進めましょう。

■参考リンク
厚生労働省「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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